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自宅のリフォームや新築を計画しているDIY愛好家の皆さん、建築関係者の方々、屋根の構造や使用される材料について気になったことはありませんか?特に、屋根の下地として使われる野地板は、屋根の耐久性や防水性を左右する重要な要素です。
本記事では、野地板の基本的な役割から具体的な種類、選び方までを詳しく解説します。
適切な野地板の選択が、長持ちする屋根づくりの鍵となるでしょう。

□野地板とは:基本から理解する

野地板とは、屋根の下地に使用される木材で、垂木という木枠の上に張り付けられます。
その上に防水シートや屋根材(瓦やスレートなど)が乗せられ、屋根の構造を支える重要な役割を果たします。
野地板の主な役割は以下の通りです。

1:屋根材の固定


野地板は、防水シートと屋根材を確実に固定することで、屋根全体の強度を高めます。
野地板自体にも一定の強度が求められ、簡単に折れたり腐食したりしない材質が必要とされます。

2:耐久性の向上


野地板、防水シート、屋根材が一体となることで、丈夫で防水性の高い屋根が完成します。
野地板の品質が屋根の耐久性に直結するため、適切な材料選びが重要です。

3:構造用合板の使用


現在、野地板には主に12mm以上の構造用合板が使用されています。
構造用合板は、複数枚の薄いベニヤ板を繊維方向が交差するように貼り合わせた強度の高い木材板です。

4:コンパネや他の合板との違い


野地板はコンパネやベニヤ板、普通合板と混同されることがありますが、これらの材料は強度や価格が異なります。
野地板には、高い強度を持つ構造用合板が適しています。

□野地板の選び方と種類

野地板には、杉板や野地合板など様々な種類があります。
それぞれの特徴を理解し、適切な材料を選ぶことが大切です。

1:杉板の野地板


30年以上前は、杉の木を板状にした杉板が主流でした。
当時は瓦の均一性や防水シートの施工技術が現在ほど発達しておらず、乾燥しやすい杉板が好まれていました。
しかし、現在では杉板の使用はほとんどなく、築30年以上の家の屋根葺き替え時に、合板への変更を検討することをおすすめします。

2:野地合板


現在の主流は、複数の薄い木板を繊維方向を交互に直交させて貼り合わせた合板を使用した野地合板です。
大きな木の板で製作できるため、隙間からの雨漏りの危険が少なく、施工の作業効率も高くなります。

3:耐火野地合板


準防火地域、防火地域、屋根不燃区域では、30分以上の火災に耐えられる耐火野地合板の使用が義務付けられています。
耐火野地合板には、木毛セメント板と木片セメント板の2種類があります。

4:木毛セメント板と木片セメント板


木毛セメント板は、木材を細長くリボン状に削った木毛にセメントを混ぜて板状に圧縮成型した準不燃材です。
一方、木片セメント板は、木毛よりも短い木片とセメントを練り合わせて製作されます。
どちらも軽量で断熱性、吸音性に優れ、加工しやすいのが特長です。

□まとめ

野地板は、屋根の下地として屋根材を固定し、耐久性を高める重要な役割を果たします。
現在は主に構造用合板が使用され、築30年以上の家では杉板から合板への変更を検討することが望ましいでしょう。
また、地域によっては耐火野地合板の使用が義務付けられています。
木毛セメント板や木片セメント板など、様々な種類の野地板の特徴を理解し、適切な材料を選ぶことが、長持ちする屋根づくりの鍵となります。

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