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屋根のメンテナンスは家の美観と安全性を保つために欠かせない作業です。
特に棟瓦は雨風にさらされやすく、劣化しやすい部分なので定期的な点検と補修が必要不可欠です。
しかし、専門的な知識がないと適切な施工方法を選択するのは難しいものです。

本記事では、DIYに興味があり自宅の屋根メンテナンスを自分で行いたいと考えている方に向けて、棟瓦の基本的な施工方法とそれぞれのメリット、デメリットを詳しく解説します。
これから屋根のメンテナンスを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

□棟瓦施工方法の基礎知識

棟瓦は屋根の要所に使用されており、建物の美観と防水性を保つ重要な役割を果たしています。
主な施工箇所は以下の3か所です。

1:大棟(おおむね)


屋根の一番高い位置にある棟の部分で、冠瓦とのし瓦を漆喰で固定します。
外から確認するのが難しい場所なので、点検や補修の際は足場が必要になります。

2:隅棟(すみむね)


大棟から屋根の隅に向かって伸びている棟の部分です。
寄棟屋根や方形屋根でよく見られる施工箇所です。

3:壁際(かべぎわ)


屋根と壁の接合部分の棟瓦です。
場所によっては脚立を使って点検可能な箇所もあります。

棟瓦が劣化すると、以下のようなトラブルを引き起こします。

・漆喰の剥がれや葺き土の流出
・瓦のずれ
・雨漏り

これらの症状が見られた場合は、早めに専門家に相談して補修工事を検討しましょう。
放置すると屋根材の劣化につながり、大きな損害を招く恐れがあります。

□棟瓦施工の選択肢:湿式工法と乾式工法の比較

棟瓦の施工方法は大きく分けて、湿式工法と乾式工法の2種類があります。
それぞれの特徴を理解して、自宅の屋根に適した工法を選択することが大切です。

1:湿式工法


漆喰や粘土を使って棟を形成する伝統的な工法です。
現在は防水性能を高めるため、シリコンや防水材を混ぜた南蛮漆喰を使用するケースが増えています。
施工手順は以下の通りです。

①土台を作り、のし瓦を積み重ねる。

②棟の頂点に冠瓦を載せ、銅線で固定する。

③ガイドライン工法の場合は、鉄筋を使って棟を強化する。

湿式工法の最大のメリットは、瓦屋根独特の風合いを再現できることです。
漆喰の柔らかな質感が建物に味わい深い表情を与えます。
また、部分的な補修が可能なので、メンテナンス費用を抑えられるのもポイントです。

一方、デメリットとしては重量があげられます。
10mの棟で100kg近くの重さになるため、建物への負担が大きくなります。
また、漆喰や粘土の乾燥に時間がかかるので、工期が長引く可能性もあります。

2:乾式工法


湿式工法とは対照的に、軽量で乾燥が早い工法です。
アルミや銅板、ステンレスなどの金属を用いて棟を形成します。
金具で固定するため、重量を大幅に抑えられるのが特徴です。

乾式工法の最大のメリットは、軽量で耐震性に優れていることです。
湿式工法に比べて1/10程度の重さですむため、建物への負担が少なく、地震に強い屋根を実現できます。
また、金属素材のため乾燥が早く、工期の短縮につながります。

デメリットとしては、見た目の質感が湿式工法とは異なることがあげられます。
金属素材特有のモダンな印象になるため、和風建築などには違和感を感じる方もいるかもしれません。
また、イニシャルコストが高くなる傾向にあります。

□まとめ

棟瓦は屋根の美観と性能を左右する重要な部位です。
施工箇所や劣化時の症状を把握し、適切なメンテナンスを行うことが大切です。

施工方法には湿式工法と乾式工法の2種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

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