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自宅のメンテナンスに積極的で、コストパフォーマンスと耐久性を重視する屋根の所有者の方へ。
パミール屋根に特有の劣化問題でお悩みの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、パミール屋根の一般的な劣化症状とその対策、維持管理の方法について詳しく解説します。
信頼できる情報に基づいて、パミール屋根の長期的な保全に役立つヒントを見つけていきましょう。

□パミール屋根の劣化と対処法

パミール屋根では、以下の2つの劣化症状が頻繁に報告されています。

1:層間剥離


パミール屋根の最も特徴的な劣化症状が「層間剥離」です。
お菓子のミルフィーユのように、屋根材の層が次々と剥がれていく現象を指します。
湿気や凍結の影響で起こりやすく、放置すると屋根の機能が大きく損なわれます。

2:釘の腐食


パミールに使用された釘の中には、メッキ処理が不十分なものが混入していたケースがあります。
そのため、釘の腐食やサビが発生しやすく、屋根材のズレや落下につながる危険性があります。
早期発見と対処が肝心です。

これらの劣化症状に対処するには、以下の2つの方法が一般的です。

・葺き替え工法
劣化したパミールを全て撤去し、新しい屋根材で葺き替える方法です。
瓦、カラーベスト、ガルバリウム鋼板などの選択肢がありますが、コストや重量、メンテナンス性を考慮する必要があります。
特に、パミールの撤去・処分費用が高額になるのが難点です。

・カバー工法
既存のパミールの上から、ガルバリウム鋼板などの屋根材を被せる工法です。
パミールを撤去せずに済むため、コストを抑えられるのが魅力です。
ただし、あまりに劣化が進行した状態では適用できないので注意が必要です。

□パミール屋根塗装のステップとコスト

一方、劣化があまり進んでいないパミール屋根なら、塗装でメンテナンスすることも可能です。
ここでは、パミール屋根の塗装手順と必要な材料、コストの目安を見ていきましょう。

パミール屋根の塗装は、以下のステップで進めます。

1:高圧洗浄で屋根表面の汚れを丁寧に落とす(水圧は10~12MPa程度に調整)
2:1日以上かけてパミールを十分に乾燥させる
3:パミールの両端約15cmの位置にタスペーサー01を挿入
4:浸透性の高いエポキシ系シーラーを2回以上塗布し、表面を補強(状態に応じて3回以上)
5:耐候性に優れた屋根用塗料で丁寧に2回上塗り(塗料が溝に入り込まないよう注意)
6:必要なら仕上げにクリアー塗料を1回上塗り

ただし、基材の層間剥離や破損が著しい場合は、塗装には適していません。

塗装に必要な主な材料は、高圧洗浄機、タスペーサー01、エポキシ系シーラー、屋根用上塗り塗料などです。
プロに依頼する場合、30坪の屋根で材工込み約60~80万円程度が目安となります。
定期的なメンテナンスを前提とすれば、葺き替えよりコストを抑えられるでしょう。

□まとめ

パミール屋根の劣化で多いのは層間剥離と釘の腐食です。
深刻な劣化には葺き替えやカバー工法での対処が有効ですが、初期段階なら塗装でのメンテナンスも可能です。
定期的な点検と、劣化状況に合わせた適切な対策を行うことで、パミール屋根を長持ちさせることができるでしょう。
コストと耐久性のバランスを考えながら、自宅の屋根を大切に保全していきたいものですね。

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