スタッフブログ

築10年以上経った家を所有していて、そろそろ屋根のメンテナンスを検討しているみなさん。
「屋根の塗装」を検討しているものの、実際には塗装できない屋根材があることを知り、不安を感じているかもしれません。
「塗装できない屋根材」は、見た目では判断しづらく、そのまま塗装してしまうと、かえって劣化を促進させてしまう恐れがあります。

今回は、塗装できない屋根材の特徴、劣化症状、適切な対処法を分かりやすく解説することで、みなさんが安心して適切なメンテナンス方法を選択できるようになることを目指します。

□塗装してはいけない屋根材とは？

ここでは、塗装できない屋根材とその理由について説明します。
具体的には、ノンアスベスト化による強度不足や、劣化が進んで塗装しても意味がない状態になるケースなどを解説していきます。

1: 塗装できない屋根材の背景

アスベストは、強度が高く安価なため、かつては住宅の屋根材などに広く使用されていました。
しかし、アスベストが原因で健康被害が発生することが明らかになり、2006年には製造・販売が禁止されました。

建材メーカーは、アスベストに代わる素材として、ノンアスベストと呼ばれる素材を採用しました。
しかし、ノンアスベスト素材はアスベストに比べて強度が低く、経年劣化によって割れや剥がれなどが発生しやすくなってしまいました。

2: 塗装できない屋根材が塗装できない理由

塗装できない屋根材は、強度が低いため、塗装しても意味がないどころか、かえって劣化を促進させてしまう可能性があります。
例えば、塗装の際に人が屋根の上を歩くことで、屋根材が割れてしまう可能性があります。
また、塗装によって屋根材の通気性が悪くなり、湿気が溜まって腐食が進むケースもあります。

このように、塗装できない屋根材は、塗装よりも他の方法でメンテナンスを行う必要があります。

□塗装できない屋根材7選

ここでは、代表的な7種類の塗装できない屋根材を紹介します。
それぞれの屋根材の特徴、劣化症状、見分け方を解説することで、みなさんが自身の屋根材を判断しやすくなるでしょう。

1: コロニアルNEO

コロニアルNEOは、クボタ（現KMEW）から販売されていたノンアスベストスレート屋根材です。

特徴としては、表面に細かい凹凸があり、グレーや茶色などの落ち着いた色合いです。
劣化症状としては、ひび割れ、剥がれ、欠落などが挙げられます。
コロニアルNEOは、他の屋根材に比べて強度が低いため、経年劣化によって容易に割れてしまいます。

2: パミール

パミールは、ニチハから販売されていたノンアスベストスレート屋根材です。

特徴としては、表面が滑らかで、薄いグリーンやブルーなどの明るい色合いです。
劣化症状としては、層間剥離、釘の腐食、軒先の劣化などが挙げられます。
パミールは、特に層間剥離が発生しやすい屋根材です。
層間剥離とは、屋根材の層が剥がれてしまう現象で、雨水が浸入しやすくなり、腐食の原因となります。

3: ザルフグラッサ

ザルフグラッサは、クボタ（現ケイミュー）から販売されていたノンアスベストスレート屋根材です。

特徴としては、表面に細かい凹凸があり、グレーや茶色などの落ち着いた色合いです。
劣化症状としては、ひび割れ、剥がれ、欠落などが挙げられます。
ザルフグラッサは、コロニアルNEOと同様に、強度が低いため、経年劣化によって容易に割れてしまいます。

4: アーバニー

アーバニーは、旧クボタ（KMEWケイミュー）から販売されていたノンアスベストスレート屋根材です。

特徴としては、表面が滑らかで、薄いグリーンやブルーなどの明るい色合いです。
劣化症状としては、ひび割れ、剥がれ、欠落などが挙げられます。
アーバニーは、他の屋根材に比べて形状が複雑なため、ひび割れが発生しやすいと言われています。

5: レサス

レサスは、KMEW（旧松下電工）から販売されていたノンアスベストスレート屋根材です。

特徴としては、表面が滑らかで、薄いグリーンやブルーなどの明るい色合いです。
劣化症状としては、反り、ひび割れ、剥がれ、欠落などが挙げられます。
レサスは、特に反りが発生しやすい屋根材です。
反りとは、屋根材が曲がってしまい、雨水が溜まりやすくなる現象です。

6: グリシェイドNEO

グリシェイドNEOは、KMEW（旧クボタ）から販売されていたノンアスベストスレート屋根材です。

特徴としては、表面に木目調の模様があり、グレーや茶色などの落ち着いた色合いです。
劣化症状としては、反り、ひび割れ、剥がれ、欠落、層間剥離などが挙げられます。
グリシェイドNEOは、パミールと同様に、層間剥離が発生しやすい屋根材です。

7: セキスイかわらU

セキスイかわらUは、積水屋根システム株式会社(旧セキスイルーフテック)から販売されていた瓦を模したスレート屋根材です。

特徴としては、瓦のような形状で、グレーや茶色などの落ち着いた色合いです。
劣化症状としては、塗膜の剥がれ、ひび割れ、基材の崩れなどが挙げられます。
セキスイかわらUは、特に塗膜の剥がれが発生しやすい屋根材です。

□まとめ

塗装できない屋根材は、強度が低く、経年劣化によって割れや剥がれなどが発生しやすいため、塗装よりも他の方法でメンテナンスを行う必要があります。
もし、みなさんの家が塗装できない屋根材で建てられている場合は、屋根の専門会社に相談して、適切なメンテナンス方法を選びましょう。

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