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上げ裏外壁の維持と美観を守るための基本と対策
2024.07.28
お役立ち情報
自宅やマンションのメンテナンスに熱心な住宅所有者にとって、上げ裏外壁の理解を深め、最適な材料とメンテナンス方法を知ることは重要です。
上げ裏外壁は、建物の美観を保ちつつ、耐久性と安全性を維持するために欠かせない部分です。
しかし、上げ裏外壁のメンテナンスは意外と見落とされがちな点でもあります。
本記事では、上げ裏外壁の基礎知識から修繕方法まで、実践的な情報を詳しくお伝えします。
上げ裏外壁のメンテナンスに関心のある方は、ぜひ最後までご一読ください。
目次
□上げ裏外壁の基礎知識と一般的な材料
上げ裏とは、建物の軒を下から見上げた部分を指します。
軒裏、軒天井などとも呼ばれ、階段の裏側や庇の裏側も上げ裏に含まれます。
上げ裏外壁は、雨水が直接当たらない場所ですが、湿気が溜まりやすく、塗装が剥がれやすいという特徴があります。
上げ裏外壁に使用される一般的な材料には以下のようなものがあります。
1:珪藻土
珪藻土は、火山灰が堆積してできた多孔質の軽量材料です。
吸湿性と断熱性に優れ、調湿効果もあるため、結露防止に効果的です。
2:ケイカル板
ケイカル板は、珪藻土と消石灰を混ぜ合わせてできた板材です。
軽量で加工しやすく、耐火性にも優れています。
ただし、古い建物では、アスベストを含むケイカル板が使用されている場合があるので注意が必要です。
3:エクセルボード
エクセルボードは、鉱石と石膏を混ぜ合わせた板材です。
軽量で耐火性に優れ、吸音効果もあります。
また、水に濡れても強度が落ちにくいという特徴があります。
4:フレキシブルボード
フレキシブルボードは、繊維質な物質とセメントを混ぜ合わせた板材です。
柔軟性があり、曲面にも対応できます。
また、軽量で耐火性に優れ、断熱効果も期待できます。
上げ裏外壁の材料は、いずれも燃えにくく、軽量であるという共通の特徴がありますが、それぞれの材料の特性を理解した上で、建物の用途や環境に合わせて選定することが大切です。
□上裏の修繕方法と注意点
上げ裏外壁は、経年劣化や環境要因によって損傷することがあります。
適切な修繕を行うことで、建物の美観を保ち、耐久性と安全性を維持することができます。
ここでは、マンションや一戸建ての上げ裏外壁の修繕箇所と、それぞれの修繕方法、維持管理時の注意点を解説します。
1:廊下・ベランダの上裏の修繕
マンションの廊下やベランダの上げ裏は、風雨や紫外線、排ガスなどの影響を受けやすく、塗装の劣化や剥がれが生じやすい場所です。
大規模修繕工事の際には、これらの部分の塗装をしっかりと行うことが重要です。
また、ベランダの上げ裏には、エアコンの室外機を固定するボルトが取り付けられていることがあります。
修繕工事の際にボルトを緩めたり抜いたりした場合は、工事終了後に正しく元通りになっているかを確認しましょう。
2:階段の上裏の修繕
共用部分の階段の上げ裏は、特に北側に面している場合、湿気が溜まりやすく、サビや腐食が発生しやすい場所です。
階段の上げ裏は、鉄骨やモルタルの材質に関わらず、鉄製の部分があるため、まずはケレン(サビ取り)作業を行います。
次に、防錆性の高い変形エポキシ系サビ止め剤や浸透性サビ止め剤で下塗りを行います。
階段の腐食の程度によっては、下塗りを4回ほど行うこともあります。
その後、ウレタン性樹脂で中塗りと上塗りを行い、修繕を完了させます。
◻︎まとめ
本記事では、上げ裏外壁の基礎知識から修繕方法まで、実践的な情報を詳しくお伝えいたしました。
何か質問等ありましたら、いつでもご相談ください。